ウォーターポンプ交換

2018年11月

ある日、車の下に冷却液が結構大量に漏れていました。
どこから漏れているのだろう?とエンジンルームを覗くと、すぐ分かりました。
ウォーターポンプのプーリー付け根あたりからの液漏れです。

ウォーターポンプとは、ファンベルトの動力で冷却液を送り出す装置で、中に回転する羽根があり、
羽根がスムーズに回転 する様にケースとの間にベアリングが入っています。
ベアリングはグリスが塗られていて、もし冷却液がベアリングに入り込むとグリスが流されてしまいます。
そこで、ベアリングと羽根の間にシールが入っているのですが、これが劣化するとベアリングが壊れてしまい、
プーリーが固着することによりファンベルトに大きな力が加わって、最悪エンジン前部の補器類を破壊
してしまいます。

W124のウォーターポンプには、最悪の事態を防ぐために、シールとベアリングの間に排水用の穴があり、
シールが傷むとそこから冷却液が漏れるように設計されています。(よくできてますね!)

今回はまさにその排出用の穴からの液漏れで、シールの劣化が原因です。
シールの交換は専用工具が必要で、DIYでは難しいので、ウォーターポンプ交換となります。
幸い、メーカーによるリビルド品が若干安く入手できますので、早速発注です。


今回購入したリビルド品のウォーターポンプ。

 104-200-4701 ¥42,994 (税抜き)

ウォーターポンプは形が同じでも開いている穴に沢山種類があり、部品番号が複雑です。


リビルド品とはいっても、メーカーで作り直していますので、
新品と変わりません。
私の車に付いているタイプのものは既に製造中止で、
入手したものは一つ余計に穴が開いています。


そこで、その穴をこのフタで塞ぎます。(これも純正、¥165)
このフタに液体パッキンをちょいと付けて、金づちで使用
しない穴に叩き込みます。(結構きつかったです。)


Oリングはウォーターポンプに付いていました。
一番小さいのがリザーブタンクからの配管、中くらいのがエンジン
との接合部、大きいのがサーモスタット用です。

後ろのサーモスタットカバーは、ウォーターポンプがあまりに奇麗
なので汚さが目立つので掃除したところです。


さて、交換作業です。

まず、アンダーカバーを外し、残った冷却液を抜きます。
ラジエター、エンジンからウオーターポンプに繋がるパイプも外します。
そして、内側/外側のファンシュラウドを外します。
コの字パッキン交換を参照して下さい。)
邪魔なので、エンジンファンも外してしまいます。ヘキサゴンボルト3本で
止まっています。

ファンベルトも外します。
私の年式のW124は、テンショナーのボルトを回すだけでベルトが緩んで外れます。


センサーの配線も外しましょう。

邪魔なので、目の前を走るブレーキアシストの負圧ラインも片側だけ外して
よけておきしょう。


ラジエターサブタンクからの配管も外します。
前回、コの字パッキンを変えたときに、ここのOリングを購入し忘れてしまい、
再利用したことが心残りだったので、今回交換出来てスッキリです。

ウオーターポンプと、パワステポンプのプーリーも邪魔なので外してしまいます。


パワステポンプの低圧側配管をホースの外れ防止のバンドをドライバーで緩め、
外します。
パワステオイルが漏れてくるので、ヘキサゴンビットでフタをしてあります。

エンジンとパワステポンプを止めている2本のボルトナットを外すとパワステポンプが
外れますので、ちょっとよけておきます。


いよいよウオーターポンプを外すのですが、ここではこの工具が必要です。

 KTC 9.5mm ロングボールポイント ヘキサゴン ビットソケット 6mm
 BT306BPL ¥964

これさえあれば、手の届かない3か所のヘキサゴンボルトはブレーカーバーで
簡単に緩みます。


緩めば、ラチェットでボルトを外します。


この奥も、ブレーカーバーで緩めてから、ラチェットで外します。


ふ〜、ウオーターポンプが外れました。

ウオーターポンプの下には漏れた冷却液が流れ出るのを防ぐプールがあり、
漏れた冷却液で一杯です。
冷却液は有毒で、そのまま流してはいけないので、漏れた冷却液もここで
キャッチしようということでしょうか。
でも、車の下に流れなきゃ、異常が発見できないからこの設計思想はどうなの?
というところですよね。


エンジンとの接合部分をオイルストーンでキレイにしました。
冷却液プールの水も抜きました。


新しいウオーターポンプを取り付けます。
なんてキレイなんでしょう!

エンジンとの間に挟むOリングがすぐ外れてしまい、なかなか取り付けられません。
液体パッキンをちょっとつけてウオーターポンプに固定したら上手く行きました。


ウオーターポンプがあまりに奇麗なので、うれしくなって先にサーモスタットとか、
センサーとかを取り付けてしまいました。
センサーを付ける際には、液体パッキンを付けることを忘れずに。
ただ取り付けると、水圧が高いので、ここから冷却液が漏れます。(経験談)

サーモスタットカバーを一生懸命磨いて良かった、新品のウオーターポンプに
付けてもそんなに違和感ないです。

パワステポンプを戻します。
外した時と同じで、メガネレンチでナットを押さえて、ボルトをラチェットで回します。


パワステポンプの低圧側ホースに、オイル染みがありました。
新品のホースはもう買ってあるのですが、ホース自体に亀裂はなく、
まだ使えそうなのでホースの外れ防止のバンドをドライバーで増し締めします。
(かなり緩んでました)


ホース、補器、プーリー、ファンベルト、配線を戻して行きます。
掃除をしながらの楽しい作業です。


エンジンファン、エンジン前部カバーを戻します。
あとファンシュラウドを戻し、ラジエターにつながるパイプを付けて、
ブレーキパワーアシストの負圧ラインを戻して…

冷却液を入れて完成!!

最後は指差し確認で忘れた作業が無いかチェック。

こういう重整備って、ボルトが固かったり、手が届かなかったりで、外すまでが大変で、外れてしまえば
後は掃除をしながら、部品を磨きながらと楽しく作業が出来ます。
写真を撮りながら、まったりと作業して午前中4時間ほどで交換完了。

車をいじるとき最近は必ず作業用手袋を着けるようにしています。
もちろん怪我をしないようにですが、手の汚れが少ないのが良いです。
私は 会社勤めですので、爪の間が黒かったりとか、あまりよろしくないもので…。

冷却液漏れはこれで無事解決しました。
冷却液も新品に入れ替えましたので、部品代で5万円ちょっとかかりましたが、業者に出すといくら
ぐらいかかるのでしょうね?