ヘッドカバーパッキン交換と、ねじ山復活

2016年10月

点火不良を調べるのにプラグを外した際に、プラグがどっぷりオイルに浸かっていました。
ヘッドカバーの、プラグホール周りのパッキンが劣化したことによるオイル上がりですが、
プラグキャップの中までべっとりで、ちょっとひどい状態です。

エンジンコンピューターが壊れた原因を考えていたのですが、抵抗が焼ききれるということは
ショート等による過電流が原因と思われます。
イグニッションコイルの不良や、エンジンハーネスやプラグコードの劣化でも起こりますが、
この不純物だらけのオイル漬けのプラグがよろしいわけがありません。

また、M104エンジンのヘッドカバーはマグネシウム合金で出来ているのですが、整備業者が
ヘッドカバー上のイグニッションコイルを格納しているカバーのボルトを強く締めすぎたことが
原因で、ヘッドカバーにあるねじ山が潰れてしまっています。
マグネシウムは鉄より弱いので、鉄のボルトで締付けすぎたらねじ山が壊れてしまうのです。
6本中4本のねじ山がダメになっていて、結果、イグニッションコイルが完全に固定できず、
ヘッドカバー上に乗せてるだけになっており、イグニッションコイルのアース不良の原因にも
なっています。

ヘッドカバーのパッキン交換はそんなに難しい作業ではありませんが、開ける以上、
ついでにオイル漏れが気になるコの字パッキンの交換、エンジンのフロント周りを外すなら
劣化が気になっていたラジエター本体およびラジエターホース類の交換までやってしまおう、
と部品を集めていました。
大工事になるのでなかなかやりだせませんでしたが、天気の良い連休のある日、ついに決行
しました。

今回は、ヘッドカバーのねじ山を復活させる「リコイル」という作業にもチャレンジしました。


まずはイグニッションコイルを外します。
詳細は「エンジンハーネス交換」を参照して下さい。


プラグホール内にオイルが溜まっています。
エンジンコンピュータ修理時にきれいに掃除したのに、
もうこの通りです。

ボルトが分からなくならない様に、ヘッドカバーのボルトの
頭にマジックで番号を書き込んでいます。


ヘッドカバーは張り付いてなかなか外れませんでしたが、
ゆさゆさと揺すっていたら、パコッと外れました。
エンジン内部はキレイですね。


今日の作業は夕方から始めていて、今日はこれでおしまい。
エンジン内部に異物が入らないように養生して、ヘッドカバー
を持って家に帰ります。


ここから、家の中での作業です。
まず、ヘッドカバーを掃除しました。
ねじ山は完全に無くなっています・・・。


ねじ山を復活させる道具「リコイルキット」です。
アマゾンで、4千円程度で購入しました。M6サイズの1cm
コイルが付属したものです。


このキットは、下穴を広げるドリルも付属していますが、
穴は既にガバガバでしたので、付属するねじ山を切る道具
でいきなりねじ山を作ります。
マグネシウムは柔らかいのでコリコリ簡単に切れます。


エアダスターと掃除機で、ネジ穴に溜まった切りかすを
取り除きます。


続いて、付属するスプリングを、付属する道具でねじ込みます。


こんな感じでスプリングをねじ込みますが、スプリングは
穴よりちょっと大きく巻いてあります。
ねじ込むとスプリングが巻かれ、簡単に入って行きます。
道具を抜くと、広がり、ネジ穴にぴったりと張り付きます。

よく出来てますね〜


ねじ込むためのひっかかりとして、スプリングの終端が
真ん中に曲げてあり、これが施工後にボルトをねじ込むとき
に邪魔になりますが、これもちゃんと取り除く道具が
付いています。

この棒をネジ穴に差し込み、エイッと押し込むと、
スプリングの端がポキッと折れ、磁石になっている棒の
先端に引っ付いて出てきます。

よく出来てますね〜


こんな感じで、ねじ山が復活します。
6本の穴全てをリコイルしました。


ちゃんとネジが利くかテストします。
バッチリです。

これで、イグニッションコイルがちゃんと固定されるでしょう。


パッキンを新品に付け替えます。
写真の部品はタペットカバーパッキン A104-010-2130
OEMパーツで、スピードジャパンで¥7,121でした。


ヘッドカバーのパッキンがあたる部分は良く脱脂します。
溝に嵌め込むだけです。

古いパッキンはカチカチで、だいぶ潰れていました。

次の日に、コの字パッキンを交換しました。
その様子は次回に!!