フロントダンパー交換

2016年5月

この車両が走行2万キロぐらいの頃、本当に素晴らしい乗り心地でした。
W124の足回りのチューニングは、現在の高級車と比較しても見劣りのしないものです。
重たい車両をしっかりと支え、それでいてゴツゴツと固すぎるわけではなく、しっとりと着実に地面を捕まえる感覚は忘れられないものがあります。

年月が経過すると色々な部分が劣化し、その頃のフィーリングは多少失われて行きますが、今でもこの車に乗ると「ああ、良い車だな」となぜかホッとします。

W124のフロントサスペンションは、「マクファーソン・ストラット」という、ショックアブソーバー(バネとダンパーが組み合わさった装置)自体でタイヤを支える構造を採用しています。さらに、バネはダンパーと一体化しておらず、ダンパーだけを交換することが可能です。
「マクファーソン・ストラット」方式のサスペンションでは、ダンパーは丈夫でしっかりとしたものが求められますので、W124のフロントダンパーも、大きくてそれなりに高価です。

20年も経過すれば、ダンパーももう交換時期でしょう。
新しいダンパーは、固すぎず、乗り心地重視で「ビルシュタイン」の「B4プログラム」を選択しました。
ダンパー交換で、あのころの乗り心地が少しでも蘇るでしょうか?

今回用意したパーツです。

バンプラバー 124-323-0744 \1,940x2 (純正・税抜き)

アッパーマウント 124-320-1444 \4,580x2 (SACHS製・税抜き)

写真は撮っていませんですが、後はダンパーです。

Mercedes-Benz BILSTEIN B4 プログラム
前 V36-0361 \15,552x2(税込み)
後 B36-1385 \10,497x2(税込み)

リアダンパーは2017年3月現在、未だ交換していません。


タイヤを外すメンテを行うとき、よくタイヤのボルトを緩める
のを忘れてジャッキアップしてしまいます。
インパクトレンチを持っていれば、ジャッキアップした後でも
タイヤのボルトを外すことが出来ますが、私は持っていない
ので、ジャッキアップする前に緩めます。

フロアジャッキで車体を持ち上げる前に、パンタジャッキで
少し車体を持ち上げます。
こうしないと、フロアジャッキが入らないのです。
フロアジャッキで持ち上げた後は、ここにウマをかけます。
前はボトルジャッキを使用していましたが、車体にあたる
部分が細くて、ジャッキアップポイントを破壊してしまい
ましたので、最近はパンタジャッキを使用しています。


いきなりここまで外れていますが、ここまでの分解は、
フロントロアアームブーツ交換」を参照して下さい。

今回はハブナックルの下側、ロアアームボールジョイント
部は外しません。

古いダンパーを外します。

エンジンルーム側から、ちょっとオフセットのあるレンチを
かけ、ヘキサゴンでダンパーを押さえながらナット
を外します。

抜けました。
あれれ、バンプラバーが1コマしか残っていません。

続いて、アッパーマウントを交換します。

3箇所のナットを外すと、

下に外れます。
アッパーマウントには、蛇腹のゴムブーツがついてきます。

今回、ゴムブーツは買っていませんので再利用です。
アッパーマウントにはめこまれています。

交換完了。
アッパーマウントはそんなに痛んでいる感じでは
ありませんでした。
でもきっと固くなっているでしょうし、そんなに高価でも
ないので、交換したほうが気持ちいいですね。

古いダンパーから付属部品を移植します。

蛇腹のゴムブーツがダンパーに当たらないようにする
上側の部品は、新しいダンパーに付いていましたので、
下側のホース類を固定する部品のみを移植します。

この部分のツメを押しながら、ダンパーに添ってくるっと
回すと外れます。

抜けました。新しいダンパーに移植します。

新しいバンプラバーを取り付けます。4コマあります!


アッパーマウントに取り付けます。
ナットは新品がB4キットに付属していました。


下側のボルト穴の位置あわせを行います。
ロアアームを支えているジャッキを微調整すると完単に
合います。


ボルト&ナットで止めます。新品ボルトが推奨ですが、
いちいち替えていられないので、緩み止めを塗って再利用
します。
まだ、仮止めで、ナットは完全には締めません。


下側のボルトも同様に緩み止めを塗って仮止めします。


上側のナットを本締めします。
外すのと同様に真ん中をヘキサゴンレンチで押さえながら、
外側のナットを締めこみます。
本来はトルクレンチを使うのですが、ここにはかからない
ので、カンでしっかり締めます。


ハブナックル上側を本締めします。
ここはトルクレンチを使用します。(110Nm)


下側もトルクレンチでしっかり締めます。(110Nm)

反対側も。写真がピンボケです・・・。

こんなとき、ステアリングタイロッドを外しておくと簡単に
向きが変えられて便利ですね。


プレートを戻します。ヘキサゴンボルトで止めます。


ホース類の配線を戻します。

ハブを取り付けます。
ハブグリスは前回新品に換えているので、今回は継ぎ足し
です。微妙な締め付けもサクサクと終わらせました。

ABSセンサーを掃除して取り付けます。

こちらもヘキサゴンボルトです。


ブレーキディスクを取り付けて、

キャリパーを戻しておしまい!


ゴムブーツ、せめて掃除すれば良かったかな〜。

ロアアームブーツ交換で慣れていましたので、片側1時間、両側2時間で、無事交換完了。
自動車整備って、経験がとても大事だと思いました。
2回目は本当に簡単です。

さて、乗り心地ですが、最初はあまり変化を感じませんでした。
前のダンパーもそれほど劣化していなかったのかもしれません。

ところが、新品ダンパーは慣らし運転が必要みたいで、しばらく乗っていると引き締まって良くなってきました。
タイヤの空気圧を調整したら、あの新車の頃の感覚を思い出すようなカチっとした感じになりました。
やっぱりW124は素晴らしいですね。