タイロッド交換

2015年9月

久しぶりのW124メンテです。(三年ぶり?)
もう一台のユーノスロードスターをメインに使っていて、ベンツはほとんど乗っていなかったのです。
特にトラブルも無かったし・・・。
ところが、先日追突され、ロードスターが廃車になってなってしまい、またW124に乗り始めました。
すると、いろいろ治したい所が出て来ました。

まずは、悪路になると、フロント足回りがガタつく問題です。
ジャッキアップしてフロントタイヤ揺すったところ、ステアリングに数ミリのガタが・・・。
ステアリングギアボックスだと大変ですが、右側のほうがガタが大きいので、ここはステアリング
タイロッドのボールジョイント部の劣化ということにして、タイロッド周りを交換です。

交換するにあたり、特殊工具『タイロッドエンドセパレーター』をストレートで購入しました。
なんと値段は2000円しない!、ストレートって特殊な工具が安くて私大好きです。


タイロッド、今回はOEM(LEMFORDER製)です。
左A124-330-0903、右A124-330-0803、
いずれもスピードジャパンで5,500円。

中央の軸を回すと、長さが変わります。車体に固定された
状態で、ホイールアライメントが調整出来るようになって
います。


センターロッド、こちらもOEM(LEMFORDER製)です。
A124-460-1205、スピードジャパンで5,920円。
ステアリングダンパーを取り付ける台座が付いています。
こちらは長さ調整機能はありません。


ボールジョイントの中心には、ナットを締める際に空回りを
防ぐ、ヘキサゴンの穴がちゃんと開いています。


あと、ステアリングダンパー。STABILUS製で、
スピードジャパンで4,780円。


タイロッド交換すると、ホイールアライメントが狂います。
もちろん業者に持ち込んで再調整すれば良いのですが、
その度にン万円払うのもばかばかしいですよね。

そこで、私は片側のタイロッドのみを先に交換して、一旦
試運転をして交換したタイロッドの長さを調整することに
しました。
片側交換後、直進時に前と同じハンドルのセンター位置
となるように調整し、次にもう片方を同様に交換・調整を
行えば、前と同じホイールアライメントになった、というわけ
です。

まず右側から。前輪をジャッキアップしてウマに乗せます。
ジャッキアップする前に、ホイールのボルトを緩めるのを
忘れずに。ジャッキアップした後だと、ホイールが空回り
してボルトが緩みません。

ホイールを外し、ステアリングを左に目いっぱいきると、
タイロッドが交換し易いです。


17mmのナットを緩めます。これはそんなに固くなくて、
ラチェットで緩みました。ナットは全部外す必要は
ありません。


ここで、購入しておいた「タイロッドエンドセパレーター」を
かけます。ボールジョイントのブーツをマイナスドライバー
等でちょっと下げて隙間を作り、そこに押し込みます。
そして、ボルトをこれでもかというほど締め付けると・・・
バキィィィン』というすごい音がしてタイロッドエンドが
外れます。
ナットを全部外さなかったのは、ここでタイロッドや、
タイロッドエンドセパレーターが外れて落下するのを防ぐ
ためです。


タイロッドエンドが外れてしまうと、ナットを回しても
ボールジョイントが空回りしてしまい、外れません。
そこで、中心に5mmのヘキサゴンレンチを差し込み、
ボールジョイントを固定して、17mmのメガネレンチで
ナットを外します。


奥側ですが、右側だけタイロッドエンドにカバーが付いて
いました。(これは取り付けるときに撮った写真ですが・・)
ボルトを1本外すと取れます。

奥側も同様に、まずは17mmナットを緩め、

タイロッドエンドセパレーターをかけます。
狭いのでやりにくいですが、車の下に潜らなくても大丈夫
です。

本来は、このままセンターロッドの交換を行うのですが、
私の場合は、一旦右タイロッドのみを交換して、試運転
をして長さ調整を行います。

ここで、外したタイロッドとほぼ同じ長さになるように、新しい
タイロッドを荒調整してから取り付けます。
外した時と同様に、5mmのヘキサゴンで軸を空回りしない
ようにして、17mmのメガネレンチで仮締めします。
最後にトルクレンチで本締めします。
締付けトルクは35nmです。

試運転をして、直進時のハンドルのセンター位置が交換前
と大体同じになるようにタイロッドの長さを微調整します。
微調整はタイヤを外さなくても、目一杯左にハンドルを
回せば可能です。
最初にほぼ同じ長さに調整していたので、私の場合は、
半回転ぐらいで前と同じ感じになりました。
タイロッドエンドのボールジョイントのゴムブーツに、余計な
ねじれがつかないように、両端の向きに注意し、調整ナット
を締付けます。

私のサンデーメカニックは趣味ですので、気力・体力の
関係で、作業時間は一日2時間程度しか持ちません。
疲れたら、今週の作業は切りのいいところで終わりに
してしまいます。

右タイロッドを交換して調整を行い、そこで力尽きて今週は
おしまい。

次の日曜日にセンターロッドと左タイロッド、ステアリング
ダンパーを交換します。

同じ様に左タイロッドを外し、


車体の下にもぐりこんで、ステアリングダンパーを外します。
とても固く締まっていますので、60cmブレーカーバーで
えいっと緩めます。
この工具、超使えます。(アマゾンで2330円でした。)


同様に反対側もブレーカーバーで緩めて、ラチェットで
外します。

外したダンパー、油圧が抜けてスッカスカでした。
もっと早く換えれば良かった。


右側、先週に一度付けたタイロッドを外して、奥のセンター
ロッドのナットを緩めます。


タイロッドエンドセパレーターをかけて外します。


右側だけ、こんな金具が付いています。


続いて左側。
どういうわけか、全然外れない・・。
満身の力をこめてタイロッドエンドセパレーターのボルトを
ねじ込むのですが、全然外れません。
タイロッドエンドセパレーターが壊れそうです。

隙間にCRCを吹いたり、ちょっとプラスチックハンマーで
たたいたりしましたが、一向に外れません。
うーんどうしよう、とタイロッドエンドセパレーターをかけた
まま30分ぐらい格闘してたら、 『バキィィィィィィィィン
という、町内中に響き渡るような音がして外れました。
良かった〜。


センターロッドをサクサクと交換。
中心に5mmのヘキサゴンレンチを差し込み、
ボールジョイントを固定して、17mmのメガネレンチで
ナットを締めます。締付けトルクは35nmです。

センターロッドを取り付けたら、車体下に潜り込み、
ステアリングダンパーを取り付けます。ダンパー固定
ボルト・ナットの締め付けトルクは40Nmです。


右側の金属カバーを取り付け、

こんな感じになります。


左タイロッドも、前のタイロッドとほぼ同じ長さになるように
荒調整してから取り付けます。

メガネレンチだと回すのが面倒なので、ラチェットメガネ
レンチをホームセンターで買ってきました。便利〜
って、また余計な工具を増やしてしまいました。

試運転をして、直進時のハンドル位置を左側タイロッドの
長さを調整して合わせます。
右と同じようにボールジョイントブーツに無理な力がかから
ないような角度にタイロッドエンドを固定します。

1日の作業時間は1〜2時間程度でしたが、ジャッキアップして馬に乗せ、タイヤを外しての作業、
結構疲れます。次の日に筋肉痛も出ます。
でも、車をいじる作業はとても楽しいです。

今回の交換作業で、悪路でのフロント足回りがガタつく問題はバッチリ解決しました。
フロント足回りがカチッとした感じです。
古いダンパーは抜けてスカスカだったため、交換後のステアリングがとても重く感じます。
でも、ハンドル操作はとてもスムーズで感動的です。
これだから、W124メンテは止められませんね!