スロットルアクチュエーター修理

2015年9月

今回はトラブルではなく、ダメになる前の交換です。
W124のアキレス腱、エンジンの熱でワイヤーハーネスがボロボロになるのは有名です。
エンジンハーネスは交換していますので、まだ大丈夫ですが、スロットルアクチュエーターのケーブル
もそろそろアヤシイはずです。

まだ何も問題はありませんが、一度でもハーネスをいじるとショートして、最悪スロットルアクチュエーターは
勿論、エンジンコンピューターまで壊す可能性があります。
スロットルアクチュエーターは部品が希少で、価格が年々上昇していて、新品だとン十万円ということです。
メンテナンスでハーネスをいじる機会もありますので、ここはショートする前にスロットルアクチュエーターの
ケーブルを交換してしまいましょう。

ついでに、スロットルバルブのスラッジも掃除します。

スロットルアクチュエーターを取り外すために、
周囲のパーツを取り外します。
まずは、インテークラインパイプ(エンジンの上をまたがって
いるパイプ)を取り外します。

インテークラインパイプの吸気温センサーコネクタを外し
ます。真ん中のツメを押しながら抜きます。

エアマスセンサーのコネクタを外します。
コネクタ横のリングを回すと外れます。

ロングドライバーで、インテークラインパイプの根元の固定
バンドを緩めます。
写真のは25cmのプラスドライバーです。

エンジン上部のナット2つを外します。(10mm)

エアクリーナーケース側の2つのツメを外し、パイプを
抜き取ります。

続いてレゾナンスバルブを取り外します。

レゾナンスバルブの上部2箇所のゴムのフタを外し、

その中の5mmのヘキサゴンボルトを外します。

見えている5mmのヘキサゴンボルト2本を外すと、

上に抜けます。
この装置にもコネクタが繋がっていますので、コネクタの
両側のツメを押しながら抜きます。


スロットルアクチュエーターとインテークラインパイプを繋ぐ
ゴムダクトを外します。
小さなプラスドライバーでゴムダクト下側の固定バンドを
緩めます。
固着しているゴムダクトは、ひつじさん方式で、ブレーキ
クリーナーのロング缶を差し込んで、えいっと手前に倒して
外します。簡単〜(ひつじさん、ありがとうございます。)


スロットルアクチュエーターのコネクタを外します。
ロックのレバーを開くと外れます。


スロットルアクチュエーターのコネクタを固定しているナット
を外します。狭いので、小さなラチェットを使っています。


スロットルリンケージのバネと、ボール
ジョイントを外し、スロットルアクチュエーター
を止めている4本の5mmヘキサゴンボルト
を外すと、スロットルアクチュエーターが
取り出せます。

さあ、ここまで来ちゃったら、配線を触った
ためにショートしている可能性があります
ので、後戻りは出来ません・・・。


購入したケーブル。FA Ubonより、VCTF23NXX 12C-0.5SQ
を1m購入、価格は1,160円、送料が1,025円(泣)


前にホームセンターで買ってあったラチェットドライバーの
セットの中に、穴あきトルクス(星型で真ん中に穴が
開いているネジ回し)が入っていて、それがスロットル
アクチュエーターを開けるのにぴったりでした。
覗いて見ると、被覆はひび割れしていますが、ショートは
してなさそうでした。
交換のために基板を引き出すと、とたんに被覆がボロボロ
と崩れだします。
恐ろしいです、ひどいものですね。


こんなに被覆の破片が出て来ました・・・。


ケーブルのパッキンは再利用したいので、壊さないように、
外します。
上部のU字型の太いパッキン固定ピンを抜くのが一苦労で
した。
ピンははめた後、本体の金属部をかしめて抜けないように
なっています。かしめた部分をヤスリで削って、なんとか
抜き取りました。
ケーブルに圧着してあるモールドパッキンは、本体の穴に
はまっているだけですので、裏側からピン抜きでたたき出し
ました。


被覆がひび割れてボロボロなのが分かります。
モールドパッキンはケーブルにひっついています。

適当なところでケーブルを切断して、中の線を抜き取り、
外側の被覆のみにしてなんとか抜き取ることが出来ました。


新しいケーブルを差し込んでみました。
ぴったりです!


さてコネクタ側です。
ケーブルを根元から切断して、中の構造が良く分かりません
ので、ここらへんから糸鋸を使って切断、切開しました。
被覆はこちらもボロボロ。


こんな、コネクタピンを束ねる台座が、コネクタ本体にツメで
止まっていました。
これなら、ケーブルをハンダ付けするのも簡単です。


まずは、古い線とハンダを除去します。
写真の様な、小型のハンダ吸い取り器を使います。


きれいにハンダを除去出来ました。
持つと熱いので、クリップ付きの台座を使っています。


どの色の線を、何番ピンに繋ぐか良く計画を立てて、新しい
ケーブルにピンをハンダ付けします。
一本線があまるので、モーターの配線を片方だけ二重に
繋ぎました。


これを台座にはめて・・・


コネクタのケースにパチンとはめ込み、切断したモールドを
差し込み、隙間を黒色のコーキング材で埋めて止めます。


こちらは本体側。紙に書いたピン番号と基板のハンダ付け
位置が間違いないか、しつこいぐらいチェックして、さらに
導通テスターでショート等が無いか確認しました。
スロットルリンケージを動かして、アイドリングスイッチが
正常に作動しているかも導通テスターで確認しました。

本体側ケーブル取り付け部と、U字ピンをはめた場所にも
コーキング材で防水して、ふたをして完成。

スロットルバルブののスラッジもブレーキクリーナーで
キレイに掃除しました、

スロットルバルブを外すのに30分、着けるのに30分、ケーブル交換に4時間ぐらいの作業でした。
試運転のときは緊張しましたが、クルーズコントロールも無事動作しています。
スロットルアクチュエーターを分解しながら、本当に戻せるのか不安一杯でしたが、やってみると
意外と何とかなるものでした。
交換前と交換後では、まったく変化はありません・・・。