ルーフライニング張り替え

2012年8月

今日は、垂れ下がりが気になっていた、ルーフライニングの張り替えです。
また、天井板をルーフに固定している金具の接着部分が外れていて、サンルーフ
と天井の間に微妙に隙間が出来ていて、アイドリングの時等に共振して音を立て
不快です。
私のE320、1995年の最終型ですが、定番のトラブルがホントそのまま発生します。
ベンツの品質ってトラブルまで、とても安定していますね・・・。

W124の天井には、元々グレーのビニールが薄いスポンジに張ってある素材が
使われています。このスポンジが問題で、加水分解で数年でボロボロベタベタに
変質します。
外車の天井布には、どういうわけかこの素材が多く使用されていて、天井垂れ
下がりはヨーロッパ車の定番トラブルだそうです。
5年ぐらいでダメになるのは、ディーラーが修理代を稼ぐには丁度いいのかも
しれませんね。

まずは、交換するルーフライニングをカスタマイジイングさんから、Aライトグレーを
2メートル\10,000で購入しました。注文したものは色は近いですが、起毛素材が薄い
スポンジに貼り付けてあるもので、少し伸びる素材なので素人でも失敗しにくく、
W124の天井修理では定番のアイテムです。
カスタマイジングさんから張り替え方法やコツが書いてある紙が同封されていました
ので、それも参考に作業開始です。


まず、両側のサンバイザーを外します。
根元のネジを+ドライバーで2つずつ外せば
取れます。
次にバックミラーを引き抜きます。
バックミラーがはまっていた四角い金属の
ベースを、ネジ3つ外し、小さな中央の
サンバイザーとともに取り外します。
バックミラーが無いと、視界が良いですね。


八月の暑い最中での作業です。帽子と飲み物は必須です。
サンルーフを開けて、赤丸の所にあるネジを外します。
すると、長いアルミの弓形のアングルが外れます。
ここで、バッテリーのマイナス端子を外したほうが安全です。


ルームランプを外します。ルームランプは、写真の様な
金属のバネが右側についていますので、右にずらすと
左側のツメが外れ、左側から下に外せます。
ルームランプのコネクタをルームランプを壊さない様に
注意深く抜きます。


サンバイザーをとめるステーを外します。
下側のメクラ蓋を上側から細い棒などで押すと
開きます。
そこからドライバーで奥のネジを外すと取れます。
とても面白い構造ですね。
このステーには電極が付いていて、サンバイザー
のバニティミラーの照明に電気を送っています。
配線を外す必要がないので、よく出来ていると
思いました。

ドア開口部の周りに付いているゴムを引っ張って、
必要な部分だけを外すと、サンバイザーが
付いていたヘッドボードが外れます。
Aピラーの内装がちょっと邪魔かもしれませんが
これは外さなくても大丈夫でした。


天井のハンドルを外します。根元のプラスチックカバーを
内装外し工具等で手前に外し、手すりの根元をちょっと
めくるとボルトにアクセス出来ます。
各ドア上部4本を外します。


続いて、リアシートを外します。
2つの赤いポッチを押して、手前を上に持ち
上げ、前方に引きずり出します。
背もたれの下側の3本のボルトを外し、
上に持ち上げると、背もたれが外れます。
重たくて、結構力が要ります。


Cピラーの内装を外します。ちょっとコツがあり、後部を
バキッと持ち上げると、後部の金具が内装から外れます。
その後、内装自体を後ろ方向にずらすと、手前の3箇所
のツメが外れ、取り外せます。
後部の金具は、車体から外し、内装にはめ込んでおきます。
着ける時は、後ろのフックをかけたあとに前3箇所のツメを
押し込みます。

これが後部座席にあると壊しそうなので、シートベルトを
固定しているボルトを外し、社外に取り出しました。


ルーフライニングの左右サンルーフ側は、布の端に
プラスチックの細長い板が溶着してあり、それを車体側の
金属の押さえに差し込んで固定してあります。
その金属の押さえを外します。

まず、サンルーフ開口部左右の金属プレートを外します。
車外から+ドライバーでネジを外します。
前側のみ長いビスです。

残りは短い木ネジです。

ネジを全て外すと、金属プレートが外れます。


ルーフライニングを挟んでいるステーを車外から前方に
抜き取ります。
これで、ルーフライニングに溶着されたプラスチックの板が
車体から外れます。


続いてBピラー内装です。
バッテリーのマイナス端子を一旦つないで、シートを前に
ずらします。
Bピラー下側のカバーを、ネジを二つ外して取り外します。


前後ドア開口部ゴムのBピラー周りを外し、Bピラー内装を
下側から持ち上げると、バキッと外れます。
写真の様なツメのある金具で止まっています。

Bピラー内装上側は、このような金具で固定されています。
私は下側から手を突っ込んで、金具の矢印部分を押して
外しました。

Bピラー内装には、内装と同色の布バイアステープが貼って
あります。これが、内装の鳴きを抑えるのでしょうね。
接着が弱くなってずれています。
外すときに、押さえが無くなったルーフライニングが垂れ
下がってきて、裏側の加水分解したベタベタスポンジが
付いてしまいました。


このベタベタスポンジが車内を汚しますので、垂れ下がって
きたルーフライニングを、あわてて天井板にガムテープで
固定し、封じ込めます。
このベタベタスポンジ、内装に着くと掃除が大変です。

写真を撮り忘れましたが、天井後部のランプを引き抜き、
ステーのネジを外しますと、いよいよ天井板が外れます。

天井板は、サンルーフ下にコの字のアルミアングルで
はめ込んであり、前方に少しずらして外すのですが、私の
車の場合は、このアングルが天井板からもげていました
ので、Bピラーを外すと落ちて来ました。

これを車外に出すには、フロントシートの背もたれをたおし
リアウインドウを開け、天井板を一番後ろまでずらし、
天井板前方の片側をリアウィンドウから出し、Bピラーを中心
に回転させる様にしてフロントドアから取り出します。


外した内装は室内に持ち込み、掃除
しました。
関係ないものが沢山写っていますね。
車の部品って、部屋に持ち込むと
とても大きく感じます。


Bピラー裏側の布バイアステープも両面テープできれいに
補修しました。


さて、天井板の下地作りです。
これが大変でした。ベタベタがとにかく周りを
汚染するので、外で作業です。
ホースで水をかけながら、タワシでごしごし
こすり、ベタベタと、さらに天井板のガラス
繊維の上の層を落とします。


左の方は、だいぶガラス繊維が見えて
来ましたが、右側はもう少しです。
ちゃんと付着したものを落としておかないと
新しい内張りの接着が弱くなります。


これぐらいガラス繊維が見えればOKです。
クモも下地の様子を見に来ました。


ライニングを貼るのに用意したスプレーボンドです。
布と、天井板の両側に吹き付け、少しおいてから接着します。


中心から、張り込んで行きます。しわにならないように・・・。
クッキングシートを間に挟んで、抜きながら少しずつ張り込み
ました。端の方は曲面がありますので、少し布を引っ張り
ながら、うまくなじませます。
引っ張りすぎると、はがれの原因になりますので、やさしく
やさしく。

ここで、ちょっとした事件が!!
この作業はエアコンの効いた室内の、ダイニングテーブル
上で行っていたのですが、換気扇全開にもかかわらず、
スプレーボンドのガスで、台所のガス感知器が反応して
してしまい、それも夜中だったため、マンションの管理人さん
に警報を止めてもらうことが出来ず、警備会社が来てしまい
ました。
作業を中断するわけにもいかず、警備会社のお兄さんには
謝りつつ、警報を何度か止めて貰いながら、終わらせました。
警備会社のお兄さん、ご迷惑をおかけしました。
でも、気さくに雑談をしながら作業のお手伝いまでして頂き、
ホント感謝です。

端は、3cmぐらい裏側に折り込んで接着します。
サンルーフ枠に止めるプラスチックの板は、元と同じように
布にボンドで接着しました。


このテープが貼ってある部分にコの字のアルミアングルが
はまります。
私の場合、これが天井板からもげていたため、天井板を
外した後にここから回収、エポキシ系接着剤で天井板に
貼り付けました。


次の日、修理が終わった天井を戻します。
サンルーフを開けるのに、スイッチを立体配線・・・。


マンションの駐車場で作業していますので、結構住民が
話しかけてきます。
皆、本当に元に戻るのか心配そうです。
私も、本当に元に戻るのか心配です。

バックミラーをはめるのにいつも苦労します。
なんでこんなに固いのでしょう?
外すほうが簡単なのは、形状を見れば分かりますね。
私はピンを棒で押しながらはめますが、結構大変です。


サクサクと部品を取り付け、完成!!
大変だったけど、大満足です。

天井板を外すのに1時間ほど、天井板の掃除に数時間、張り替えに2時間、
車体に戻すのにまた1時間ほどでした。
とにかく天井板の掃除が大変でしたが、後は楽しい作業でした。
サンルーフ内張りは替えませんでしたが、起毛布との違和感はそんなに無いです。
いやー、きれいになってホント気持ちがいいです。